歯科金属除去、金属アレルギーへの対応

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私に目覚ましい効果があった治療法

前橋賢医士の著書だけを治療の頼りにしている方は、その中で歯科金属アレルギーと掌蹠膿疱症の関連性を遠まわしに否定されていることはご存知だと思います。

わたしは、掌蹠膿疱症の歯科金属アレルギーへの関与について、同著をふくめて様々な文献を読み漁り、自身が経験して導いた結論は、”要因が一つに特定できず、一般的には原因不詳とされるこの掌蹠膿疱症に対しては、想定される要因をリストアップし、一つひとつその治療有効性を試すべき”というものです。

歯に治療のあとがあり、歯科金属がある場合はその可能性も疑ってみるべきだと考えます。
私は2015年9月現在、まだ完治したとは自身で結論付けてはいないのですが、ビオチン治療法をはじめとする他の治療をさまざま併行しながらも、歯科金属の除去を行った直後に症状が寛解し、その後激しい再発症状が見られません。

そのため私のケースでは「効果があった」と思えるのです。

どれだけアレルギーの金属があるかによって個人差はありますが、費用もそれなりにかかるため「絶対」とは言えないのですが、治療法の一つとして取り入れることを是非勧めたいです。

このページは治療法のひとつとして有効だということを説明しながら、自分が事前に知っておきたかったことと、注意事項についてまとめました。

否定論者と懐疑論者も入り混じる医療現場

前橋賢医士の著書『信じてもらうための挑戦―掌蹠膿疱症は「治る」病気です』前橋賢(近代文芸社 2008年)の中で以下の記述のように金属アレルギーの関与を疑っています。

懐疑的というよりも、ビオチン治療法を推し進める著者の立場を考えると否定的とも思えます。

230名の患者さんでは金属アレルギー検査を受けられ歯の治療をうけられていたにもかかわらず、皮膚や骨の病変が全然改善していませんでした。患者さんとして来院された歯科医師たちは一様に「もし原因として歯の治療に用いている金属が関わっているとするならば、自分で治しています」と金属アレルギーの関与を強く否定されています。

信じてもらうための挑戦―掌蹠膿疱症は「治る」病気です

しかし、いかがなものでしょうか?

金属アレルギーを検査し、原因となる歯科金属を除去することで症状が寛解に向かうという報告は多く寄せられており、わたしもその一例です。

そのため、治療に悩む方の中には金属アレルギーによって症状が表出している方もいるはずで、前橋賢医士が以上のように断定とは言わずとも、ほぼ断定的に疑っているという主旨の記述をを著書で伝えたのは、読者である患者からその選択肢を奪うことにつながり、功罪となり得ませんでしょうか?

また、同時に前橋賢医士に反論を申すと、『来院された歯科医師たちが一様に否定した』と書かれている記述について、たった230名の患者の中で、どれだけの歯科医師がいて、その歯科医師たちの中にどれだけ歯科金属がある方たちがいて、さらにどれだけアレルギーの方がいたのか、一般的に歯科医師は歯が良いというイメージがあるので、甚だ疑問というよりも、どうしても事実を疑ってしまう内容です。

さて、注意する点と言えば、陽性反応が出た歯科金属の除去が必ず有効であると論じている論文もないという点です。

ただし、有効な症例は確実にあるということが以下、引用したそれぞれの論文の中の結論に共通な点です

一つ目のの論文、金属アレルギーと掌蹠膿疱症(J Visual Dermatol11:1052-1054,2012)では、以下の通りの記述がみられます。

金属アレルギーの関与についても、各施設でのパッチテスト陽性率に大きな差があり、その関連性についてはさらなる見当が必要と思われる。しかし濱野らは、PPP(掌蹠膿疱症)においては、ほかの疾患に比べてパッチテスト陽性金属と口腔義歯中の元素との一致率が高かったという興味深い報告をしている。

本症例はパッチテスト陽性金属アレルゲンと口腔内歯科金属が一致し、その金属を除去することにより、患者の苦痛と皮疹を消褪させることができ、QOL(Quality Of Life)を向上できた。しかし、歯科金属除去のみで症状が改善することは比較的するなく、小林らの報告のように、歯性感染症、根幹治療、歯周病治療も同時に行いながら経過を見る必要はあると思われる。

今後もPPPにおいては積極的にパッチテストを施行し、歯科と連携して陽性になった金属を除去することも、完治への選択肢の一つと考える。

出典:金属アレルギーと掌蹠膿疱症(J Visual Dermatol11:1052-1054,2012)

この論文は鶴田京子さん(藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院皮膚科)と松永佳世子さん(藤田保健衛生大学皮膚科)の論文ですが、概ね私も同じ考えです。

もう一例紹介します。

掌蹠膿疱症の病因と治療-歯科学報108(5):431-436の中では、以下のような記述があり、掌蹠膿疱症の金属アレルギー除去による治癒の症例は少ないものの、明らかに効果があった事例もあり、金属アレルギーが間接的、ないしは直接の原因となることもある明言しています。

この点は私もまったく同じ考えで、様々な要因が考えられるからこそ、歯科金属がある人は疑うべき原因の一つだと言いうことです。同時に、虫歯やその周辺病による病巣感染も疑うべきですが、この内容に関しては病巣感染のページに記述しています。

(中略)歯科金属除去により治癒ないし軽快した症例の報告がなされている。また、掌蹠膿疱症患者では金属シリーズのパッチテストで陽性率が高いとの報告もある。当院での症例研究においても歯性病巣治療無効例の中に歯科金属除去が有用である症例が散見される。しかし、症例数は少なく、その頻度は低いものと思われる。また注意しなければならないのは、歯科金属除去においてあわせて歯性病巣も治療される可能性があり、歯科金属除去で治癒したとしても、本当に金属除去のみであったか検証する必要がある。(中略)あくまで病巣感染を認めない症例あるいは病巣感染治療を行っても軽快しない症例で金属アレルギーの関与を検証しており、本症の病因検索・治療としてまず病巣感染からとりかかるべきと考えられる。
しかし、2005年、明らかに亜鉛アレルギーで発症した症例が報告された。その症例ではパッチテスト部に本症に特徴的な小膿疱が多発し、リンパ球幼若化試験が強陽性で、歯科金属除去により皮疹は著名に改善した。さらに別の症例でえ、全身性接触皮膚炎における亜鉛の関与を証明した。その患者血清およびリンパ球を用いてマクロファージ遊走阻止因子およびTNF-αといった炎症性サイトカインの関与を報告している。このように金属アレルギーも病因の一つであり、本症は多因性の疾患と考えた方が良い。

 治療のプロセス(※歯科医の場合)

金属アレルギーは皮膚科でも検査してくれるところはありますが、専門的に行っている歯科医で行うとワンストップで治療まで可能です。

そのため、自身の掌蹠膿疱症の原因が金属アレルギーなのではないかと思ったら、皮膚科医伝え、歯科と連携するよう依頼してみましょう。

私の場合は、街の皮膚科→東京医科歯科大学歯科アレルギー外来→街の歯科医とかなり遠回りしてしまいました。

  1. 金属アレルギーの可能性有無の見極め
    問診やレントゲンをとり口腔内に歯科金属があるかを確認します。
  2. アレルゲンの特定
    パッチテストや血液検査、中には毛髪検査などもあります
  3. アレルゲンの存在場所の特定
    歯科金属の成分分析を行いアレルギーのある金属を特定します。
  4. 治療計画
    歯科医の判断によります。
  5. 原因金属の除去
    アレルギーのある金属を口腔内から外すことです。
  6. 再修復治療
    代替となるものをアレルゲンのない物質を使用して再修復します。
  7. アフターケア
    経過観察となりますが、体内に溶けだした金属は相当量あり、直後では症状の改善は見られないというのが一般的です。5日以降から症状が改善するという症例もあれば、3週間から3ヶ月という症例もあります。アレルゲンの除去をしたとしても、これが根本治療につながるかは明らかではないので併行している治療は続けるよう、私は意識しました。

金属アレルギーパッチテストを行う場合の注意点

パッチテストは国際基準で検査するため、7日間を要します。

そのためパッチテストがうまくいかないと7日間完治が遅れるということになります。

ステロイドホルモンの使用を避けるという勧告があるため、比較的患部の炎症が落ち着いている時に行うことを推奨します。

  • パッチテスト期間中はアレルギー反応を抑える薬の服用を中止(ステロイド、鎮痛薬、抗アレルギー薬など)
    →テストの結果が薬効によって現れない可能性もあるためです。私の場合は、患部の炎症を抑えるためステロイドホルモン外用剤、抗アレルギー薬を併用していましたが反応はでました。
  • 汗をかく激しい運動は禁止
  • 入浴はテープ貼った後3日間は禁止
    →おそらく、アレルギー検査の試薬が流れ出てしまうためです。
  • 一時的にアレルギー症状が悪化する可能性
  • 試薬を貼ることにより新たな感作を生じる可能性
    →アレルギーがあった場合、症状が現れるためです。
  • 皮膚症状が強く広範囲に出ているときはパッチテストが行えない場合もある
  • 検査結果がはっきりしない場合は再確認の検査が必要な場合がある

金属アレルギーは接触している場所で起きるとは限らない

私は当初誤解していました。金属アレルギーは、金属が唾液によってイオン化溶出した金属が原因となるということです。

大きく3タイプあることが分かっています。

  • 全身性金属アレルギー
    歯科金属など唾液でイオン化され体内に入った金属が、そこから離れた場所、または全身の症状となって表れるタイプの金属アレルギーです。
    掌蹠膿疱症が金属アレルギーによって発症するケースはこの全身性金属アレルギーになります。
  • 局所性金属アレルギー
    接触皮膚炎が伴います。アクセサリーなどを長時間着けることによって汗などと反応して金属イオンが体内に入り、肌にかゆみや湿疹が起こるものです。パッチテストはこの特性を流用したものです。一般的によく知られ、金属が当たる部分に皮膚炎が起こるため、原因が分かりやすく、その金属を肌に触れないようにするだけで治ることもあります。
  • 歯科金属による口腔症状
    接触性口内炎といい、口の粘膜が荒れたり、舌にまだら模様が表れたり、扁平苔癬ができたりします。重症化すると食べ物の味も分からなくなることもあります。

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コメント

  1. より:

    金属除去の歯科治療は、手掌のう胞症の治療の一環として、保険適用にはならないのでしょうか?
    長年苦しんでいて、手を取り替えたい位です…

    • 掌蹠膿疱症.com より:

      咲さん

      コメントありがとうございます。
      残念ながら私は医療従事者ではなく一患者のため分かりかねます。
      信頼できるかかりつけのドクターに積極的に聞いてみましょう!
      保険適用になる、ならないかではなく、保険適用にするにはどうしたらよいのか?
      周囲のドクターも味方につけて模索してみてください。
      お力になれずにすみません。